
外壁塗装業者を安さだけで選んでしまうと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。価格が極端に安い業者の中には、手抜き工事をするところもあり、結果的に追加の費用や修理が必要になることが少なくありません。この記事では、安すぎる業者のリスクや注意すべきポイントについて解説し、失敗しない業者選びの方法をお伝えします。
安すぎる外壁塗装が危険な理由
外壁塗装の業者の中には、他社と比べて極端に安い見積もりを提示するところがあります。一見するとお得に見えますが、多くの場合、危険が潜んでいます。費用を必要以上に抑えた結果、工程の省略や使用される材質が大幅に落ちてしまうことが多いためです。
品質が低くなる
塗料や工事にかかる人件費、設備費、業者の利益などはかならず必要なため、外壁塗装の適正価格には、一定の理由があります。よって、異常に安い価格を提示する業者は、何かを犠牲にしてコストを削減していることが少なくありません。
たとえば、耐久性の低い安価な塗料を使用したり、必要な下地処理を省略したりすることでコストカットしているのです。その結果、短期間で塗装が剥がれてしまうかもしれません。
さらに、安すぎる業者に依頼すると、経験や知識が不足している職人が施工する可能性があります。外壁塗装は、ただ見た目をうつくしくするだけでなく、建物を保護する役割も果たしているため、スキル不足による品質低下は、建物全体の劣化を招きかねません。
契約後に値上げ
過剰なディスカウントをする業者の中には、契約後に追加費用を要求してくるケースもあります。契約時点では低価格に見せかけ、工事途中で追加工事が必要として、最終的な工事費用を大きくする手法です。悪徳業者に多く見られる手口のため、注意が必要です。
倒産リスクが高い
異常に安い業者の中には、倒産リスクが高い業者も含まれます。こうした業者は、経営状態が悪い可能性があるため、長期的なアフターサービスを期待できない点も大きなデメリットです。
悪徳業者がよく使う手口
悪徳業者がよく使う手口を知り、適切な選択をすることで、トラブルを未然に防げます。よく見られる手口を知っておきましょう。
追加費用の請求
契約時には詳細を記載しないまま安い金額を提示し、工事が進行した後で追加費用を請求してくるケースです。外壁塗装には、塗装作業だけでなく足場設置や高圧洗浄、養生といった作業も含まれるため、適正な見積もりでは、これらが詳細に記載されています。不明確な見積もりには注意してください。
人件費を削る
ベテラン職人を監督役として配置し、実際の作業を見習い職人に任せることで、コストを削減する業者が存在します。経験の浅い職人による施工では、塗装にムラが生じたり、施工後に塗装が剥がれたりといったリスクが高まります。ベテラン職人が現場にいるといって、細部まで監督が行き届くわけではないため、注意が必要です。
質の悪い塗料
見積書には高品質な塗料を記載しながら、実際には安価な塗料を使用するケースもよく見られます。さらに悪質な場合、下塗りや中塗りのみ質の悪い塗料を使用することで、表面だけ見栄えよくすることもあります。
塗料の耐久性は外観だけでは判断しづらいため、依頼者が気づくのは数年後、という事例も少なくありません。また、塗料を必要以上に薄めて使用する手口も問題です。規定以上に希釈しているため、当然、本来の性能を発揮できません。
工程の不正
塗装後、乾燥時間を守らないといった不正も見逃せません。外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの各工程で、適切な乾燥時間を確保する必要がありますが、これを省略することで人件費を削減する業者がいます。乾燥時間を守らない塗装は剥がれやすく、ムラができやすいため、外壁の耐久性を大きく損ないます。
足場の省略
本来、安全性や効率を考慮してビケ足場が使用されるべき現場で、安価な単管足場を採用し、足場代の削減を図るケースも挙げられます。単管足場は安い一方で、高所作業に適しておらず、作業が不充分になる恐れがあります。
価格以上に重視すべきポイント
外壁塗装を成功させるためには、業者の信頼性や施工内容にしっかりと目を向けることが大切です。価格以上に重視すべき、いくつかのポイントを理解しておきましょう。
業者の実績
まず注目すべきは、施工実績です。施工実績が多いことは、それだけ多くの顧客に信頼されてきた証拠です。地域に密着し、実績を積み重ねている業者であれば、安心して依頼できるでしょう。
また、1級塗装技能士などの資格保持者が在籍していることや自社施工かどうかも確認しましょう。下請け業者に依頼する業者は、伝達ミスやコストの上乗せが発生するリスクがあります。
保証の充実度
保証が充実していることは、非常に大事です。施工店だけでなく、塗料メーカーや販売店からも保証が付与されていると安心です。施工店単独の保証だと、廃業してしまった場合、保証が無効になるリスクがあります。メーカー保証が付いている場合は、施工店がなくなったとしても保証が引き継がれるため、安心です。
見積書が詳細か
曖昧な表現で書かれた見積書を提示し、手抜き工事をする業者も存在するため、見積書のチェックも重要です。塗装面積や使用する塗料の名称が明確に記載されているかを確認しましょう。これらが不明瞭な場合、後々トラブルになる可能性が高いです。
まとめ
安すぎる業者には、手抜き工事や低品質な材料を使用するリスクが潜んでいます。そのため、価格だけではなく、施工実績、保証体制、見積書の内容などを含めてしっかりと検討することが大切です。外壁塗装は、住まいの寿命や価値を守るために欠かせない工事です。一時的な価格の安さに惑わされず、長期的な視点で信頼できる業者を選ぶことで、満足できる仕上がりが期待できるでしょう。