
外壁は、風雨や紫外線、寒暖差などから家を守っています。しかし、時間の経過とともに劣化が進み、そのまま放置すると建物の寿命を縮め、修理費用が高額になるかもしれません。この記事では、外壁が劣化する原因や修繕が必要なサインについて詳しく解説しているので参考にしてください。
外壁の劣化症状
外壁が傷んでしまうと、建物の外観を損ねるだけでなく、建物全体の寿命に影響をおよぼす可能性があります。外壁の劣化はさまざまな原因によって引き起こされ、その症状も多岐にわたります。
物理的な破損
外壁の劣化原因のひとつが、外壁の破損です。これは、自然現象や工事でできた傷、飛来物の衝突などにより発生します。この傷をそのままにしてしまうと、雨水が構造内部に入り込み、腐食やカビを発生させるため、早めの修繕が必要です。
ひび割れ
ひび割れは、外壁の劣化でよく見られる症状です。紫外線や風雨、温度変化による収縮や膨張が原因で発生します。ひび割れには、幅0.3ミリ以下のヘアークラックと、幅0.3ミリ以上の構造クラックがあり、とくに構造クラックは、建物の内部に水が浸入する可能性が高く、早急な対処が必要です。
変色
外壁の変色は、紫外線や雨などによる劣化によってあらわれる症状です。日当たりのよい南側の壁では、色あせやくすみが目立ち、外観を損なうだけでなく、塗膜の防水機能が低下することも考えられます。
チョーキング
チョーキングとは、塗膜が劣化し、外壁の表面に白い粉状の物質が付着する現象を指します。紫外線や雨風による塗料の劣化が原因で起こり、防水機能が低下してしまいます。
剥がれ
紫外線や湿気、温度変化などが塗膜に影響を与え、表面が剥がれることで発生します。雨水が外壁内部に浸入し、さらなる劣化を引き起こす可能性が高い状態です。剥がれが見られた場合は、防水性や耐久性を回復させるために早急な補修が必要です。
コケ・藻・カビ
湿気が多く、日当たりの悪い環境では、コケや藻、カビが発生しやすくなります。これらは外壁に緑や黒の斑点として現れ、見た目が悪くなるだけでなく、次第に壁を侵食し、建物が傷んでしまう原因となります。
シーリングの劣化
シーリング材は、外壁の隙間を埋めて、水や風の侵入を食い止める役割を果たしています。しかし、経年劣化や紫外線の影響でひび割れや硬化が発生し、雨水が隙間から浸入することで、建物の内部構造を傷める原因となります。
サイディングボードの変形
サイディングボードは、防水性と気密性を保つために設置される外壁材の一種です。しかし、長期間直射日光や雨風にさらされることで変形し、雨水が浸入して内部を腐食させる恐れがあります。
外壁が劣化することでみられる症状
外壁の劣化は、建物の寿命や機能、美観、さらには住人の健康と安全にまで影響をおよぼします。ここでは、外壁が劣化することで生じる影響について解説します。
建物の寿命が短くなる
外壁の劣化を放置することで、建物全体の寿命が大幅に短くなります。外壁は風雨や紫外線から建物を守る役割を果たしており、その劣化が進むと、防水性能や耐久性が低下するからです。
その結果、雨水や湿気が建物内部に侵入し、木材が腐ったり、鉄筋がさびたりするなど、内部構造に深刻なダメージを与えます。このような問題を放置すると、やがて建物の強度が低下し、修繕コストが大幅に増加してしまうでしょう。
美観の低下
外壁の劣化は、建物の見た目にも大きな影響を与えます。汚れや色あせ、ひび割れ、塗装の剥がれが目立つと、建物全体が古びた印象を与えてしまい、とくに商業施設においては、ブランド価値を下げてしまいかねません。
不健康になる
ひび割れや隙間から雨水が侵入すると、建物内部でカビが発生しやすくなり、アレルギーやぜんそくなどの呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。
外壁劣化の修理業者を探す際の注意点
外壁の劣化に気づいたら、早急に修理業者を見つけることが重要です。ただし、業者選びを誤ると、修理の質が低かったり、不要な費用が発生したりするリスクがあります。ここでは、修理業者を探す際に注意すべきポイントについて解説します。
実績が豊富
外壁塗装や修理の実績が豊富な業者を選ぶことが最重要です。施工数が多い業者は、さまざまな現場に対応してきた経験があり、多岐にわたる状況にも適切に対処できる可能性が高いです。施工業者のWEBサイトや口コミで、これまでの施工事例を確認することをおすすめします。
地元で長年営業している
地域密着型で長く営業している業者は、その土地の気候や環境、建物の特徴などを熟知している場合が多く、信頼性が高いといえます。地域特有の気候条件に適した塗料の選定や湿気の多い地域での防水対策など、地元事情に応じた適切な提案が期待できるからです。
有資格者が在籍
有資格者の多い業者を選ぶことも大事です。外壁塗装の専門資格をもつ職人がいる業者であれば、技術力や知識が保証されていると考えられます。塗装技能士や建築施工管理技士などの取得者が在籍しているかどうかを確認しましょう。
まとめ
外壁が傷んでしまうことで、建物全体の耐久性や美観、さらには住人の健康にも影響をおよぼします。ひび割れや色あせ、カビの発生といったサインに気づいたら、早急に対応することが重要です。信頼できる業者を選び、適切な修繕や定期的なメンテナンスを確実に実施することで、建物の価値を保ちながら長期間安心して暮らせます。家を守るためには、劣化の兆候を見逃さず、早めの行動を心がけましょう。