
外壁塗装の色について、完成後に違って見える、といったことはよく起こります。そのようなときはカラーシミュレーションを参考にしてください。事前に塗装後のイメージを具体的に確認できるため、色選びの参考になります。この記事では、カラーシミュレーションの仕組みやメリット、注意点について詳しく解説します。
そもそもカラーシミュレーションとは
カラーシミュレーションとは、外壁塗装を決定する際に、さまざまな色の組み合わせをコンピュータ上で試せる便利なツールです。これにより、実際に塗装する前に仕上がりのイメージを具体化できます。このことで、家全体のバランスや色の組み合わせが建物に与える印象など、細部にいたるまで検討できます。
簡易タイプとプロタイプ
カラーシミュレーションには、大きく分けて簡易タイプとプロタイプの2種類があります。簡易タイプは、塗料メーカーや建設会社が提供しており、個人のパソコンやタブレット、スマートフォンから手軽に利用できるオンラインサービスです。
無料で利用できる場合が多く、塗料メーカーのデータを使用しているため、リアルな色合いにより色の組み合わせを確認できます。
一方、プロタイプは、塗装業者や建設会社が専門的なソフトウェアを使って提供するサービスです。リフォームの場合は現状の建物写真を、新築の場合は設計図をもとにコンピュータに取り込み、細部までシミュレーションして反映させます。
これにより、屋根や外壁だけでなく、玄関ドアや窓枠などの細かな部分までカラーコーディネートが可能です。プロタイプの最大のメリットは、実際の完成形に近いイメージを具体的に確認できることです。これにより、完成してみたらイメージと違ったというリスクを大幅に軽減できます。
カラーシミュレーションを行うメリット
カラーシミュレーションのメリットは数多くあります。
イメージしやすい
実際に塗装した後の姿を事前に確認できるため、仕上がりを具体的にイメージできます。家の外観を3次元的にシミュレーションできることで、単に色を選ぶだけでなく、建物の形状や周囲の環境との調和まで考慮に入れたプランニングが可能です。
伝達しやすくなる
イメージを塗装会社に伝えやすくなるのもメリットです。カラーシミュレーションを使えば、自分が考える理想の色やデザインを具体的に明示できるので、言葉では説明しづらい微妙な色合いや質感についても、明確に伝えられます。
これにより、塗装会社側も依頼者の意図を正確に把握できるため、塗料選定がスムーズに進みます。
比較検討しやすい
比較検討しやすくなる点も大きな利点です。カラーシミュレーションでは、異なる色の組み合わせを何度でも手軽に試せるため、さまざまなパターンを比較しながら最適な配色を見つけられます。
家族と意見を交わしながら選ぶ場合にも、具体的なシミュレーション画像があることで意見交換がスムーズになり、全員が納得できる色を選びやすくなるでしょう。
カラーシミュレーションにおける注意点
カラーシミュレーションを活用する際には、いくつかの注意点を理解しておくことで、外壁塗装の色選びにおける失敗を防ぎ、より満足のいく結果を得られるでしょう。ここでは、カラーシミュレーションでの注意点を説明します。
簡易タイプは詳細に確認できない
簡易タイプのカラーシミュレーションは、手軽に利用できる反面、ソフトウェアに用意された建物の形状パターンをもとにしたシミュレーションであるため、実際の自宅にそのまま反映しづらいのがデメリットです。
そのため、最終的な色選びにおいては、施工業者や専門家の意見を参考にすることをおすすめします。
プロタイプは偏りがある場合も
プロタイプのカラーシミュレーションは、施工業者が提供するサービスであり、業者によっては、ブランド哲学やスタイルが色濃く反映されている場合もあります。希望を明確に伝えたうえで、提案された色やデザインについて、納得がいくまで話し合うことが大切です。
あくまで参考とする
カラーシミュレーションは、あくまで参考程度ととらえることが大事です。ディスプレイ上やプリントアウトされた紙でシミュレーションすることが一般的ですが、実際の外壁は大きな面積があり、印象が異なる場合があります。
また、光源や素材によっても色の見え方が変わります。外壁の素材は、光の当たり方によって影ができたり、反射が生じたりするため、カラーシミュレーションでイメージした色と実際の見え方は少し異なるでしょう。
さらに、使用する塗料や工法が仕上がりに与える影響も考慮しなければなりません。同じ色でも、塗料の種類やメーカー、仕上げ方法によって微妙に異なります。施工業者に、同じような仕上げがされた建物を見せてもらうことも検討してください。
まとめ
外壁塗装のカラーシミュレーションは、完成後のイメージを事前に確認できる便利なツールです。しかし、色見本と実物の印象違いや外壁素材や光源などにより、見え方は少し異なって感じることを理解して活用することが大切です。また、色の選択にあたっては、周囲の環境との調和や自治体の景観条例なども考慮する必要もあります。最終的には、実際の建物を確認し、信頼できる塗装会社と相談しながら進めることで、理想的な色を実現できるでしょう。