外壁塗装は、家の印象を大きく左右する重要な工事ですが、塗料選びに迷う方も多いでしょう。塗料には、シリコン塗料やフッ素塗料などさまざまな種類があり、それぞれの特性や価格、耐久性を理解することが大切です。この記事では、外壁塗装に使われる代表的な塗料の特徴やどの塗料を選べばよいのかについて、詳しく解説します。
主な塗料の種類
外壁塗装に使用される塗料は、種類によって性能や価格が異なります。選ぶ塗料によって、外壁の見た目や耐久性、メンテナンスの周期が変わるため、自宅の環境や目的に応じた選択が重要です。ここでは、代表的な塗料について詳しく解説します。
アクリル塗料
アクリル塗料は、もっとも手軽な価格帯で手に入る塗料です。発色がよく失敗が少ないため、コストを抑えたい方やDIY感覚で塗装したい方に適しています。
ただし、耐久性が低く、頻繁に塗り替えが必要になるため、長期的なコストパフォーマンスは劣ります。一般的な耐用年数は3〜6年と短く、現在の外壁塗装ではほとんど使用されていません。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、密着性と伸縮性にすぐれ、外壁だけでなく雨樋や木部など、さまざまな場所で使用されています。柔らかい質感で作業しやすく、価格も比較的リーズナブルです。
ただし、耐久性は高くなく、耐用年数は7〜10年程度です。近年は、より高性能な塗料が普及しているため、外壁全体で使用されるケースは減っていますが、補修や付帯部分の塗装には適しています。
シリコン塗料
シリコン塗料は、現在外壁塗装で主流となっている塗料のひとつです。紫外線や汚れに強いなど、耐久性が高く、コストと性能のバランスにすぐれています。カラーバリエーションも豊富で、外壁に個性をもたせたい方に人気があります。
ただし、塗膜が硬いため、劣化が進むとひび割れが発生しやすいのがデメリットです。また、シリコンの含有量によって性能が異なるため、選ぶ際は商品の詳細を確認することが重要です。耐用年数は8〜12年で、価格も手頃なことから、多くの外壁塗装で採用されています。
フッ素塗料
フッ素塗料は、さらに高い耐久性を求める方に適した塗料です。フッ素樹脂を主成分とした塗料で、紫外線に強く、硬い塗膜が外壁をしっかり保護してくれるので、一般住宅のみならず、大型施設や高層ビルなどにも使用されています。
ただし、高性能であるため、費用はほかの塗料より高くなる傾向があります。耐用年数は15〜20年と長く、初期費用をかけても、塗装頻度を長くしたい方には適した選択肢です。
無機塗料
そのほか、さらに高性能な塗料として、無機塗料があります。無機塗料は、無機物を主成分とすることで、耐久性が非常に高いのが特徴です。20年以上の耐用年数をもち、うつくしい外観を長期間維持できるため、ハイグレードな壁面への塗装時に検討されます。
硬い塗膜がひび割れを起こしやすい点がデメリットですが、無機と有機を組み合わせたハイブリッド塗料も登場しており、構成によってはバランスのとれた性能を発揮します。価格はもっとも高くなる傾向にあり、一般住宅ではあまり使われないため、使用時は慎重な検討が必要です。
性質による分類
塗料は、水性や油性、1液型や2液型といった、性質によっても分類されます。水性塗料は価格が安く、環境にやさしい特徴がありますが、耐久性では油性塗料に劣る傾向があります。1液型は使いやすさにすぐれる一方、耐久性が低いことが多く、外壁には2液型を使うのが一般的です。
外壁塗装を成功させるための塗料選び
外壁塗装は多くの人にとって、人生で数回程度しか経験できない、まれなイベントです。よって、塗料選びを間違えやすく、仕上がりに満足できなかったり、耐久性が期待どおりに得られなかったりはよく起こります。ここでは、塗料選びで失敗しないためのポイントについて解説します。
迷ったらシリコンかフッ素
外壁塗装には、まずはシリコン塗料やフッ素塗料から検討することをおすすめします。シリコン塗料は長い間、外壁塗装の主流として使われてきた塗料であり、耐久性や価格のバランスがとれています。
一般的に、外壁の塗り替えサイクルは10年とされていますが、シリコン塗料は耐用年数10年を満たし、価格も高すぎないため、無難な選択肢です。さらに耐久性を重視する方は、フッ素塗料がおすすめです。
フッ素塗料は、耐用年数が15〜20年と長く、紫外線や汚れにも強いため、外壁をうつくしい状態で長期間保てます。価格はシリコン塗料より高めですが、その分価値を感じられる塗料です。
メーカーの取り扱い色を確認
外壁塗装で、もっとも多い失敗のひとつが、思い描いていた色と仕上がりが違ったというものです。色のラインアップは塗料メーカーによって異なり、同じ種類の塗料を選んでも、メーカーによって色味や質感が微妙に異なる場合があります。
大きめの色見本を取り寄せて、実際の光にあてながら確認するのがおすすめです。さらに、自然光の下や室内照明の下など、さまざまな条件で色味を確認しておくことで、よりギャップを減らせるでしょう。過去の施工事例を確認するのも効果的です。
まとめ
外壁塗装で使用する塗料の種類は、家の見た目や耐久性、メンテナンスの手間に直結します。塗料選びでは、目的に合わせた塗料の選択や色のラインアップを確認することが欠かせません。また、想定するメンテナンス期間に合わせて計画的に選定することで、期間中はしっかりと美観を保てるでしょう。塗料選びに悩んだときは、専門業者と相談することもおすすめです。適切に塗料を選択し、長期にわたるうつくしさを実現してください。
